指導例:2022年度中学入試:東邦大東邦推薦入試合格

A君は5年生の終わりに指導の依頼を受けた生徒でした。以後1年ほどの指導で東邦大東邦の推薦入試に合格し、2022年度の入試(入試自体は2021年12月)の合格者第一号になりました。

2020年にコロナの影響で塾の授業がオンラインになり、毎回の小テスト類が行われなくなる中で、A君はペースを大きく崩したそうです。その間の半年分の知識がスッポリ抜け落ちた状態で、6年生になりました。偏差値も40台前半に落ちていました。平常授業に戻った塾に復帰し、勉強を軌道に乗せ、満足のいく中学に合格したいというご希望で僕に依頼を頂きました。

A君は理数系が苦手だったので、最初は算数を指導しました。塾の成績は3歩進んで2歩戻るといった感じではありましたが、夏に算数の偏差値が50くらいに落ち着いたので、以降は理科を中心に指導しました。

直前1~2ヶ月は東邦大東邦の過去問を解きました。過去問演習では一度も合格点に到達できなかったのですが、僕は合格の可能性を感じていました。A君は自分で考える力を持った生徒だったので、知識や演習量で決まる問題ではなく、読解力や思考力が問われる問題が多く出題されれば、逆転できると思っていました。

実際に今年(2021年12月)の入試は例年よりも合格点が高い、難し目の問題であったため、A君に有利に働きました。東邦大東邦の推薦入試に失敗する可能性を踏まえて、東邦大東邦の前期の過去問(推薦入試より難しい問題)演習をしていたことも、奏効しました。

結果的にA君の能力が元々高かったために合格をもらえたのですが、入試に必要な知識のうち相当な量が抜け落ちていたために苦労しました。一般的に半年分の知識が抜けていると、取り返すのはほとんど不可能に近いです。半年分を1年で取り戻すのは1.5倍の勉強量が必要ですが、受験生は誰もが限界まで勉強しているために、1.5倍の勉強量は数字以上の難しさがあります。勉強量が増えれば集中力も落ちますし、そもそも足りない知識で6年生の塾の授業を受けることで、5年の復習どころか6年の授業についていけなくなる場合が多いです。

ご両親がお忙しく、平日は自分で勉強しなければいけなかったため、家庭学習のマネージメントに苦戦しているようでしたが、A君は塾の宿題は絶対に提出するというこだわりがあったために、1人でもある程度のクオリティで勉強できました。一方、塾の宿題以外は勉強したがらないという弱点があり、自分の苦手な範囲を工夫して勉強するという姿勢に欠けていました。勉強内容の理解というよりも「宿題を提出すればオッケー!」「塾のクラスを上げたい」などという気持ちが先に立っていたんですね。直前期には「塾の成績とか、塾の宿題はもう気にしなくていいから、受験で出そうな問題と苦手な問題を解けるようになりなさい!」と繰り返し指導していました。

偏差値的にも足りず、過去問演習でも合格点に達しなかった中で、綱渡りの受験となりました。推薦で不合格であれば、一般入試の市川・秀英・東邦大東邦も苦戦したと思われます。一方で稲毛は過去問演習でも合格点を取れていました。

いずれにしても、依頼をお受けした時から、ベイタウン私立4天王(と僕が勝手に呼んでいる)の市川・秀英・東邦大東邦・渋幕のどこかに入学できれば躍進だと考えていたので、本人もそうした方向に納得し、最短で合格できたのはとてもよかったです。1年ほどの指導中には様々な四苦八苦・試行錯誤があったのですが、終わってみればこれ以上ない流れで指導できたのではないかと満足しています。

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