渋幕の立体図形 平成18年度 第6問

  • 『渋幕の対策をしたいのですが、他の学校の過去問演習も忙しいので、特徴的な問題を効率よく練習できませんか?』とご依頼をよく頂きます。そうした場合、立体図形の対策が第一になります。
  • 時間がかかっても良いので、しっかりを図を書いて、色々と頭をひねることが大切です。

 

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まず直線を軸として回転する問題について覚えておくべきことは

  1. どの点でも一回転すれば元の位置に戻ってくる
  2. ある点が一回転した時に描く軌道は円である
  3. 点を回転させると線(円)になる
  4. 線を回転させると平面(だいたいドーナツ型)になる
  5. 平面を回転させると立体になる
  6. 軸から一番近い点と一番遠い点の差を考える

1と2はよく考えれば当たり前のことですね。

3,4,5は直感的に理解できるでしょうか?

そして実際に解くためには6が必要になります。

 

(1)  辺ADを回転させるのですが、辺ADの中で軸BCから一番近いのは点Aですね。線分AHが一番距離の近いところです。そして一番遠いのが点Dです。軸BCを地面に水平に立てて、上から見てみましょう。軸の上をB、下をCとしています。

このとき軸BCの真ん中Hの高さのところに、点A,D,Hが一つの平面上にあります。

そして軸BCを中心に回転させた時、点Aは半径4cmの円を描き、点Dは半径5cmの円を描きますね。この間のドーナツ状のところが求める面積です。したがって

5×5×3.14-4×4×3.14=(25-16)×3.14=9×3.14=28.26cm2

となります。

 

 

(2)   今度は平面BCFEを回転させます。(1)では軸から一番近い点と一番遠い点を考えましたが、今度は軸ADから一番近い線と遠い線を考えます。EFの真ん中の点をIとすると、ADから一番近い線がHIで、一番遠い線がBEまたはCFです。

また上から見てみましょう。軸ADとBE,HI,CFは全て地面に垂直になっています。

赤い線に見えるのが上から見たときの平面BCFEです。この平面を回転させてできるのは、図のドーナツ形に高さ3を持たせた柱です。

この図のドーナツ形は(1)と同じものですね。ですから面積は28.26です。柱はどんな形をしていても底面積に高さをかければ体積がでます。したがって

28.26×3=84.78cm2

あるいは半径5高さ3の円柱から、半径4高さ3の円柱を引いてもいいです。

5×5×3.14×3-4×4×3.14×3=75×3.14-48×3.14=27×3.14=84.78cm2

 

[解答]    (1) 28.26cm2    (2) 84.78cm2