2020年の指導例② SAPIX→成田中(2021年受験)

今年の指導のまとめ②です。

僕は最難関校を受ける生徒ばかり教えていると思われることが多いのですが、実際は『塾に通っているのだけどなかなかクラスが上がらない生徒』を教えることが多いです。SAPIXなどで下のクラスが続き、塾の勉強はうまくいかなかったけれど、何とか納得できる形で中学受験を終えたいというご依頼です。

6年生の夏くらいまでは塾でのクラスを上げることが大きな目標なのですが、夏までに成績が上がらない場合、目標とする学校を絞り込んで集中的な対策をすることで、偏差値以上(といっても無理のない範囲)の学校を目指そうというものです。

せっかく塾で一生懸命やってきたのに受験のない公立に通うのも残念だし、かといっていわゆる難関校は現実的でないしといった場合には、本人とご両親で話し合って、良い着地点を見つける必要があります。現実を見据えた上で納得できる学校に進学できれば、中学受験後の勉強にも良い影響を与えます。『明らかに格上の志望校を受験して、ダメだったら受験のない近くの公立で高校受験』という玉砕戦法は、ある意味分かりやすいですが、大学受験を見据えた場合、あまりお勧めできません。そうした子が高校受験で逆転できる可能性はかなり低いからです。

ベイタウンで言えば第一志望が

  • 市川(56)
  • 東邦大東邦(55)
  • 秀英(53)
  • 渋幕(65)

という子が多いですね。カッコ内はSAPIX偏差値です。この4校は軒並み偏差値が高く、サピックスでも偏差値50程度はないと、可能性がかなり低くなります。

そしてこの4校が現実的でない生徒が目指す学校は

  • 市立稲毛(48
  • 千葉大付属中(46)

が多いです。この2校に関しては、これまでも書いたことがあると思います。偏差値はかなり高めですが、受験の傾向が私立とは違うので、塾での偏差値が低くても、しっかり対策すれば合格がもらえる可能性があります。また授業料も安いので、その意味でもお得です。

少し離れてもよい、あるいはもともと家がそちらにある生徒であれば

  • 成田中
  • 江戸川取手(42)
  • 専修大松戸(42)
  • 芝浦工大柏(45)

といった学校も選択肢になります。都内まで通ってよい、引っ越しも視野に入れるとなると選択肢はもっと広がります。

今回は成田中に進学した生徒(B君)です。SAPIXで頑張っていたB君は、なかなかクラスが上がらず、SAPIXの提供する個別指導塾に行っても効果がなかったため、6年の秋になってご依頼を頂きました。

指導は過去問演習が中心になりました。直前期だったで根本的に学力を付けるというよりは、持っているものでいかに上手く戦うかというアプローチになりました。B君はもともと思考力があり、話がしっかりしている子でした。要は賢い子だったのですが、正直な所、『なんでこの子がSAPIXの下のクラスにいるのだろう』『もっと早く教えていれば秀英なども目指せたのに』と感じました。

SAPIXで下のクラスが続いたこともあり、自信を失っている様子も感じられたので、僕としては『大丈夫。しっかり考えて解けば合格できる』ということを伝えるのと、『その解き方や勉強のやり方は直さねばならない』と指導することのバランスに気を付けました。

成田中の問題傾向は、平易ではあるけれど出題者のクセが感じられるもので、慣れているかどうかで差が出ると感じました。例えば国語はかなり高齢の方が出題しているのではないかと感じられ、選ばれる文も古いもの、あるいは古い考え方に関するものが多いように思いました。そうしたものに慣れていないと全体に読み違えて大幅に失点してしまいます。

一通り過去問演習をした所で、受験本番になりました。時間がなかった上に、4教科見たので駆け足の指導になったのですが、問題なく合格できるとの感触でした。そして事実合格できました。

受験が早々に終わったので、現在は中学への橋渡しとして、英語や数学の勉強を教えています。塾の高度で長時間の授業から解放されて、リラックスしながら勉強できているようで、表情も明るくなりました。

受験をする前から僕は「大切なのは中学に入った後にどう勉強するかだよ」と口を酸っぱくして伝えていました。せっかく中学受験に意識を集中している子にこんなことを言うのは、いわゆる空気を読まない態度のようですが、中学受験というものの本質を見失ってしまっている生徒(とご両親)が多いように感じて、『受験前に』必ず伝えるようにしています。

「出身中学校は大人になったら関係ないんだよ」「大切なのは大学、あるいはどんな仕事をしてきたかだよ」「良い中学に入っても勉強しなければ意味がないし、実際開成に入ったってゲームにハマってちゃんとした大学に行けない子もいるんだよ」「(僕のように)中学受験してなくても東大にだっていけるんだよ」というと、子供は「そうなの!?」と驚きます。

もちろん生徒は中学受験の位置付けを本当に理解することはできません。だからこそ大人がトータルに考えて、その子の人生にとって後悔のない中学受験となるよう導いてあげる必要があると思います。最大限頑張るのは当然ですが、この記事で述べたような玉砕戦法が適切でないと思うのは、そうした理由からです。

レベルのあっていない塾で勉強をして、偏差値が上の学校ばかりを受けて全滅すれば、当然『勉強は辛くて難しいもの』という印象が染み付いてしまいますし、嫌いになります。中学受験から解放されれば勉強しなくなり、高校受験期になる前にドロップアウトしてしまいます。

中学受験というのは、『勉強は一つひとつ積み重ねれば難しくない』『勉強はそれほど辛いものでなくやりがいがある』と肌で感じ、自分から勉強する習慣を付けるためにあるのではないでしょうか。その延長線上に難関校があるのであって、もちろん塾に入り、苦労なく上のクラスでやっていければ、そんなことを考える必要もありませんが、塾でいまいちクラスが上がらないと焦っている場合こそ、中学受験の意義を親子でよく話し合って頂きたいと思います。

そして難関校を諦めたくない場合は早めにご依頼ください。都内の生徒に比べ、千葉の生徒はのんびりしています。都内の生徒の方が早くから鍛えられているために、1月の千葉受験でも合格枠を取られてしまっているように感じます。せっかく才能があるのに勉強に本腰を入れるのが遅かったり、「そこまでやる必要あるの?」とご両親にもどこか甘い考えがあって、やり込みが足りなかったりします。無理のない受験は良くないと言ったばかりですが、ギリギリまで全力で勉強することが大切なのはいうまでもありません。そうでなければ中学受験でも大学受験でも難関校に受かるはずはありません。

いわゆる塾の偏差値は基本的に6年生の早い時期まででないと改善しません。夏以降は過去問演習などで『持っている力でいかに戦うかを練習する』時期です。根本的な基礎学力から練り上げたいのであれば、どの塾であれ、どの教科であれ、偏差値が50をきってきた段階で対策を練らないと、いわゆる千葉BIG4『市川(56)、東邦大東邦(55)、秀英(53)、渋幕(65)』に届かなくなります。「もう少し様子をみよう」「本人の努力で改善しよう」と言って、ドラスティックな変革をしないままズルズル先延ばしになり、直前期に困り果ててご依頼を頂くということが多いです。その時期には優秀な家庭教師は枠(特に塾にのない月水金)が埋まってしまっており、対応できなくなります。今年の冬も相当数の生徒を断りました。

新学年を迎えるにあたり、勉強を見直す必要があると感じている方は、一度無料の体験授業を受けてみてください。

現在6年生の指導が終わり始めているので、指導枠が空いています。4月までに指導を開始された方は、その後ずっと500円(/1時間あたり)値引きするキャンペーンをしています。よろしければ早めにご連絡ください。

2020年の指導例① SAPIX→中高一貫校→大学推薦(2021年受験)

受験が差し迫っていますね。多くの生徒がラストスパートで必死に勉強に励んでいることと思います。

僕の家庭教師としての指導も、今年は受験生が多く多忙なのですが、2人すでに指導が終了しました。そのうちの1人(A君とします)を、今年の指導例としてシェアします。

8年前、A君が5年生の時に指導を開始しました。彼はSAPIXに通っており、真ん中から下のクラスでした。苦手教科だった理科の指導を主にしていました。当時反抗期が始まっており、ご両親との勉強を断固拒否し、ご両親も中学受験の経験がなく、どう導いていけばよいのか分からない状態でした。

反抗期で手が付けられなく感じられる生徒でも、教師と11で反抗する子はほとんどいません。落ち着いて週2時間〜4時間、苦手教科を一緒に勉強した結果、SAPIXで真ん中くらいをキープできるようになり、結果的に明大中野に進学することになりました。

合格が決まった後も、英語や数学を先取り指導することになりました。本人の反抗期は全く収まっていなかった上に、英語に苦手意識が強く何から手を付けて良いか分からない状態でした。私立中学には英語をしっかり経験してきた生徒が多くいる中でついていけるだろうかと、本人もご両親も心配のようでした。

中学・高校は、学校の定期テストで点数を取ることと英検に集中して勉強しました。ほとんどの生徒が大学に進学できる中高一貫校であったこともあり、塾に通って大学受験向けの勉強をするというよりは、確実に希望の学部に進学できることと、英語の実力をつけることに主眼をおいていました。

中高一貫校であっても、日本の英語は基本的に文法が重視されます。これは今も昔も変わりません。それをしっかり勉強したことで、中学高校では上位をキープしていました。大学進学のための成績が取れることが分かってからは英語のリスニングの勉強が中心になりました。授業中英語だけで話したり、リスニング教材のディクテーション(ネイティブが話したことを全て文字に書き起こすこと)をひたすらやっていました。

先日、無事に希望の学部に進学が決まったので指導終了となりました。8年前よりも明治大学の難易度が格段に上がっており、楽に(?)明治大学の希望の学部(かなり入るのが難しい学部)に行けたことは、結果的に大成功だったとご両親にも喜んで頂けました。

高校生になってからは、LINEで勉強の質問に答えていたのですが、そちらでのやりとりは今でも続いています。8年も一緒に勉強してきたので、僕も彼も今は寂しい気持ちが強いですが、LINEで雑談(将来の職業や恋愛の相談なども!)ができるので、今は良いですね。最後には勉強の主導権は完全にA君が持っていて、僕はいわゆるメンターであろうとしていました。

8年もあると、成績が上がったり下がったり、勉強のモチベーションも上がったり下がったりするのですが、ご両親が勉強習慣の一貫として僕との勉強を続けさせてくれたおかげで、非常に気持ちよく指導を終了することができました。

この所ずっと予定がいっぱいで新しい生徒をお断りしていたのですが、進学が決まる生徒が少しずつ出てきて、新しい生徒の募集を再開しました。新学年からの指導もお受けしているので、興味のある方は体験授業をお申し込みください。

最近の指導〜SAPIXの9月入室テスト対策〜




SAPIXに入塾を考えている生徒の指導を行いました。結果的には大成功で、入塾が許可された上、最上位のクラスから始めることになりました。

 

SAPIXの入塾テストはなかなか大変で、都内でもベイタウン近辺でも、よくご相談を受けます。小学1年生くらいから入塾すればほとんど選抜もないようですが、ある程度の学年になると、入塾するだけでも狭き門になります。

 

今回は7月に「どうしても中学受験したい・させたいと考えているわけではないけれど、勉強に向いているかどうか、塾に通うべきかどうか、塾に行くのであればどこが良いのかも含めて判断してもらいたい」というような内容のご相談を頂きました。

 

体験授業で最初に伺った時に、その時期の塾で解いている教材を持参して、一緒に勉強してみました。もちろん単純に知らない知識はあったのですが、学校で習っているものや思考力問題はスラスラ解けたので、すぐにSAPIXを勧めました。僕自身SAPIXの生徒を教える機会が多いですし、単純に進学実績を見れば、ベイタウンで優秀な生徒が通う塾としては、SAPIXが第一候補に挙がると思っています。

 

ご両親はお子様がどのレベルにいるのか分かりにくいかもしれません。まだ塾に通ったことがなければ、偏差値のようなものも出ていません。「勉強の才能があるのか」「塾でやっていけるのか」「お金をかけて中学受験をする価値があるのか」と悩んでしまうと思います。今回は生徒がとても優秀だったので、迷わず塾に行った方が良いとお勧めしました。

 

SAPIXに入ると決めた後は、僕がこれまでに指導した生徒からもらったSAPIXの入室テストの過去問などで、入室テストの対策をしました。サピックスの入室テストは大体半分くらい得点できれば合格できると思います。学年やその年の募集人数や平均点などにもよるので確実ではないですが、目安として半分を目指して勉強すれば良いと思います。

 

算数は『塾では習っているけれど、まだ学校では習っていない』内容があったので、それをご家庭で対策していただきました。また思考力問題に関してはSAPIXが出版している問題集を購入して頂き、解いてもらいました。僕とは入室テストの過去問対策をしましたが、9月の入室テストはすぐに解いてしまったので、少し難しめになりますが、10月・11月・12月・1月などのSAPIXのテストを解きました。

 

国語は算数に比べて苦手意識があったようですし、まとまった記述対策ができていないようでした。期間が短かったので基本的な内容しかできませんでしたが、「心情を答える問題」は「気持ちを表す言葉で終わること、そうした気持ちになった原因を書くこと」、「原因を聞く問題」は「〜からで終わること」などを徹底しました。また生徒のレベルに合わせて複数の問題集を購入してもらい、家庭学習で解いてもらいました。

 

冒頭に書いたように、結果は大成功でした。今後は塾のカリキュラムに合わせて、遅れないようについていくことが大切になります。

 

今回の生徒はSAPIXをお勧めしましたが、早稲アカや市進の方が向いている生徒もいます。志望校や性格にもよります。

 

小学校低学年〜5年生くらいまでの間に、ぼんやりと「中学受験どうしようか」と考えてらっしゃるご家庭は多いと思います。ベイタウンは中学受験の経験のないご両親がかなりいらっしゃいます。ママ友などからの情報だけではなかなか一歩を踏み出せないと思います。そうした場合、一度ご連絡ください。生徒の適性を見て、塾を勧めたり、入塾の対策、勉強のフォローなどできると思います。


夏休み期間中の指導

今年は特にサピックスの生徒が多く、5年6年ともに複数人を指導しています。

夏休みはサマーサポート・サマーサピックスがどんどん配られて、定着する間も無く、次の授業がやってきますよね。疑問点があっても、それを解決している時間がなかなか取れず、そのままになっている生徒も多いと思います。

そうした生徒が多いこともあって、僕も臨時の授業が多くなっています。「分からないところが溜まってしまった」「宿題が終わらない」という生徒の所に、日々通っています。

僕自身の予定が空いていれば、直前のお申し込み・1時間の指導でもお受けしています。

info@baytown-tutor.comまでご連絡ください。

 

中学受験に追われていない生徒は、「夏休みの宿題を早めにしっかりやること」「毎日の勉強習慣を崩さないこと」。このために指導している感じです。

宿題は心を込めてやってこそ勉強になるものです。やっつけにならないよう夏休みの宿題をチェックしています。

毎日同じ時間に僕がお邪魔している生徒には、決まったスケジュールで勉強することで、生活習慣が崩れがちな夏休みのタイムスケジュールの中に、規律を与えられているのではないかと思います。

 

夏休みも終盤、お出かけなども終わったと思います。あとは学校の宿題と塾の勉強。「宿題は心を込めて!」「塾の勉強は曖昧な所を残さない!」を心がけていきましょう。