東邦大東邦 推薦入試 算数 解答 2023年12月(2024年度)

*取り急ぎ解いたものになります。間違いあればご指摘ください。

*推薦にしてはやや難し目で算数が得意な子が有利になった年かと思われます。

*難易度を[易][普通][やや難][難]の順で付けました。やや難まで解ければよいです。

1⃞

(1) 10[易]

(2) 53[易]

(3) 1/6(6分の1)[易]

2⃞

(1) 木曜日[普]

(2) 500[やや難]

(3) 32[普]

(4) 5分後[普]

3⃞

(1) 74/35(2と35分の4)[易]

(2) 2[普]

4⃞

(1) 5:2[普]

(2) 25㎠[やや難]

(3) 16:19[やや難]

5⃞

(1) 1710円[易]

(2) 57/50(1と50分の7)(1.14)倍[普]

(3) 14%[難]

6⃞

(1) 2.4cm[易]

(2) 30.144㎤[やや難]

(3) 52.752㎤[難]

 

 

 

東邦大東邦推薦の算数2023年度入試の解答

東邦大東邦の推薦入試がありました。僕の生徒では1人の合格者が出ました。例年通り倍率が高く、なかなか厳しい入試でした。国語の難易度が高く(答えのはっきりしない・本質的でない問題も多く)、国語に振り回された入試になったように思いました。

理科と算数については、全部解くくらいの気持ちが必要になりますね。特に算数は問題の意図が分からないということも少ないので、圧倒的な実力があれば運に左右されにくいです。

既に解答をアップしているサイトもあるかもしれませんが、以下に解答を載せておきます。難易度を易<普通<やや難<難で示しておきます。[易]と[普通]を解ければよいと思って下さい。

1⃞(1)5分の2、(2)4分の3、(3)4.1

2⃞(1)42.6km、(2)18g、(3)180円、(4)0.5点国語が高い

3⃞(1)1520m、(2)80m/分、(3)12分40秒

4⃞(1)10.8cm、(2)2と4分の1

5⃞(1)6:1(2)16:9(3)49:31

6⃞(1)1640通り[易] (2)4026[易] (3)36通り[やや難]

 

 

東邦大東邦の公式サイトより、推薦の受験結果も載せておきます。

市川中2022年の過去問(算数)

問題はこちらにあります。
解答はこちらにあります。
市川中の公式入試情報ページはこちら。

2022年受験の平均点

算数の平均点は55でした。2021年が難しすぎたので予想通り、揺り戻しがありましたが、平均点を上げすぎなかったのはさすがでした。

 

5⃞の解説

2022年の市川の算数が、2021年よりも易化したとはいえ、この問題はかなり手応えのあるものになっています。ただし理不尽な問題ではなく、「とにかくやってみる」という、一番大切な能力を正しく問う良問になっています。

(1) 難易度1。『超かんたん』。合格するためには必ず解かねばならない問題。問題のルールを理解して、やってみるだけなので、小学校3年生くらいでもできる。時間を使い果たして、この問題を解けないのはあまりにももったいない。

(2) 難易度3。『難しい』。(1)がとても簡単で、(3)がとても難しいために、この(2)で合否が分かれる。一見して100まで試すことはできないと分かるので、何かしらの法則を見つけないといけない。(1)を解くときに、(2)の導入になっていることを意識していることが大切。1の位に注目すれば、1の位が1~9,0の10通りを試せば良いとわかる。その10通りを試していくときも、できるだけシンプルにきれいに仕上げることでミスを減らすことができる。

(3) 難易度5。『超きつい』。2022年度の市川の算数で最も難しい問題。算数が得意な生徒向け。よほど自信がなければ、他の問題に時間を割いた方が良い。

(1)

(2)

(3)

東邦大東邦の推薦入試について(令和4年・2022年度)

  • 今年(2021年12月1日実施)の東邦大東邦の推薦入試が終わりました。僕の生徒が受験し合格しました!今年は問題が難化し、例年200点以上の合格者最低点が173点だったとのことです。

 

【目次】

  1. 東邦大東邦の推薦入試の基本情報
  2. 推薦入試とは
  3. 倍率と合格者最低点について
  4. 受験勉強の方針
  5. 2018年度の算数の分析

 

【東邦大東邦の推薦入試の基本情報】

学校公式サイトの入試情報はこちら

  • 募集人数は40人→男女別の人数は定めていない
  • 合格した者は必ず入学しなければならない→実際には保護者の転勤・離婚・死亡などのやむを得ない事情であれば辞退が許される
  • 入試日は12/1(水)
  • 合格発表はサイト内で翌日12/2(木)10:00~
  • 入学手続きは12/2(木)10:00~12/3(金)15:00
  • 国100点、算100点、理50点、社50点

 

【推薦入試とは】

推薦入試といっても、小学校から推薦してもらうというではありません。『自己推薦』です。そのために以下のような自己推薦書の提出が求められます。

もちろん丁寧に書いて出す必要はありますが、『推薦入試』という名前を付けるための建前です。試験の合格者最低点を発表しているくらいですから、実際には試験で決まるでしょう。

東邦大東邦の推薦入試とは、『合格したら必ず入学してもらいますよ』『その代わり普通に前期試験・後期試験を受けるよりは少し合格しやすくなりますよ』というものです。

 

【倍率と合格者最低点について】

以下は公式サイトに記載されているものです。

年度 男子 女子 倍率 合格者最低点
2021 19 21 18.20 203点
2020 18 12 24.90 206点
2019 19 11 19.37 223点
2018 18 12 19.63 230点
2017 19 11 21.17 213点
  • 2021年から募集が40人になって、少し入りやすくなった
  • 2020年までは男女別の合格者数に何らかの意図が働いていたものと思えるが、今後はそういったことはなさそう
  • 300点満点の200~230点の合格者最低点はかなり高い67%~77%
  • 倍率20倍はかなり高い

この情報だけ見ると、絶望的な難しさだと感じるかもしれません。ですが、こうした表面的な数字だけで入試を考えてはいけません。大切なのは実際の過去問に取り組んでみて、その難易度と傾向を体感することです。

実際に解いてみると、かなり簡単な問題です。同じ東邦大東邦の前期試験の問題や、市川の問題に比べると圧倒的に解きやすく、時間が足りないわけでもありません。

つまり合格者最低点が高いのは問題が簡単だからで、倍率が高いのは前期に東邦大東邦を受ければ合格できであろう生徒達が受験するからです。

言うまでもなく、東邦大東邦の推薦入試は、合格しなければ入学しなければならないというものですから、東邦大東邦よりも難しい学校に合格できる可能性のある生徒は基本的に受けません。例えば渋幕が第一志望の生徒は東邦大東邦の推薦入試は受けないのですが、東邦大東邦の前期試験は渋幕が第一志望の生徒や都内の難関校を受ける生徒が多くの合格枠を攫っていくことになります。市川や秀英が第一志望の生徒も、とりあえず東邦大東邦を受けるでしょう。

ですから、東邦大東邦の前期試験と推薦入試は、受験者層が全く違うので、倍率が高くても恐れる必要はありません。ただし、受験者平均点は無視しなくてはなりません。受験者平均点よりも合格者最低点の方が遥かに高いので、受験者の中の平均点を取ったからといって喜んでいては合格できません。

 

【受験勉強の方針】

簡単な問題で、時間制限も厳しくないので、ミスをしないことが第一になります。また基礎的な知識や解法をしっかり身に付けていることが必要になります。

また東邦大東邦入試のメインである前期試験は、SAPIX偏差値で55になっています。推薦(合格したら入学しなくてはならない)という縛りで有利になるとはいえ、それまで塾でしっかり勉強していない生徒は合格できません。SAPIX偏差値でいうと50程度、他塾では55~60程度の偏差値は必要でしょう。また塾に通っていない生徒、あるいは家庭で中学受験の対策をしていない生徒が偶然受かることはありません。

また東邦大東邦の前期試験は4教科とも100点満点であるのに対し、推薦入試は国算100点・理社50点ずつなので、理社が苦手な人には少し有利になります。ただし、前述の通り合格者最低点が高い(67%~77%)ですので、苦手な科目を捨てて、得意な科目を頑張るという勉強法は通用しません。例えば、合格者最低点が70%だとして、算数で50点を取ってしまうと、国語で取り返すならば90点取らねばならなくなります。とにかく基本を大事に、苦手をなくすことが大切です。

ほとんどの生徒にとって最初の受験になります。また塾で定期的に行われるテストよりも取らねばならない点数が高いです。また推薦入試の過去問が数回分しか手に入りません。以上のことから、過去問演習は緊張感を持って、大切に行わねばなりません。僕の生徒には見ている前で解いてもらいますが、難しい問題で頑張り過ぎて時間が足りなくなったり、7割以上得点しなくてはならないという感覚が掴めず、全問題をとりあえず埋めただけで手応えを感じてしまい合格点に届かないということがあります。

塾での平常授業を大切にして、基礎学力を付けておくことが前提ですが、直前期の過去問演習によって得点のコツ・感覚を掴んでおくことがとても大切になります。

 

【2018年度の算数の分析】

1⃞はシンプルな計算問題・・・間違えると痛手になります。

2⃞は小問集合。(3)は紛らわしい悪問。5人の生徒がいて5人全員がそうじ当番となるとき、日本語として『選ぶ』とは言えない。理数系偏重の東邦大東邦の知性の限界を感じてしまう問題。『1~4人をそうじ当番にする』という問題にすれば済むのに、誰もチェックしないというのは、問題作成体制にも問題あり。その他の問題は、中学受験用の塾で頻出の定番問題。

3⃞約束算。(1)は簡単で必ず解けなければならない。(2)はやや難。aの方が小さい場合と、aの方が大きい場合の2通りについて考えねばならない。やや難しいが合格点を取るためにはクリアしなければならない問題。

4⃞食塩水。同量を移す問題は塾で必ず習う問。(1)は簡単で必ず解けなければならない。(2)はやや難。定番問題ではあるが、きれいな数字にならないので意外と苦戦するかも。以下解説。

5⃞平面図形。それほど難しくないので、全問正解したい所。ここで全問正解しておかないと、70%得点するのが難しくなる。以下解説。

 

最近の指導〜SAPIXの9月入室テスト対策〜




SAPIXに入塾を考えている生徒の指導を行いました。結果的には大成功で、入塾が許可された上、最上位のクラスから始めることになりました。

 

SAPIXの入塾テストはなかなか大変で、都内でもベイタウン近辺でも、よくご相談を受けます。小学1年生くらいから入塾すればほとんど選抜もないようですが、ある程度の学年になると、入塾するだけでも狭き門になります。

 

今回は7月に「どうしても中学受験したい・させたいと考えているわけではないけれど、勉強に向いているかどうか、塾に通うべきかどうか、塾に行くのであればどこが良いのかも含めて判断してもらいたい」というような内容のご相談を頂きました。

 

体験授業で最初に伺った時に、その時期の塾で解いている教材を持参して、一緒に勉強してみました。もちろん単純に知らない知識はあったのですが、学校で習っているものや思考力問題はスラスラ解けたので、すぐにSAPIXを勧めました。僕自身SAPIXの生徒を教える機会が多いですし、単純に進学実績を見れば、ベイタウンで優秀な生徒が通う塾としては、SAPIXが第一候補に挙がると思っています。

 

ご両親はお子様がどのレベルにいるのか分かりにくいかもしれません。まだ塾に通ったことがなければ、偏差値のようなものも出ていません。「勉強の才能があるのか」「塾でやっていけるのか」「お金をかけて中学受験をする価値があるのか」と悩んでしまうと思います。今回は生徒がとても優秀だったので、迷わず塾に行った方が良いとお勧めしました。

 

SAPIXに入ると決めた後は、僕がこれまでに指導した生徒からもらったSAPIXの入室テストの過去問などで、入室テストの対策をしました。サピックスの入室テストは大体半分くらい得点できれば合格できると思います。学年やその年の募集人数や平均点などにもよるので確実ではないですが、目安として半分を目指して勉強すれば良いと思います。

 

算数は『塾では習っているけれど、まだ学校では習っていない』内容があったので、それをご家庭で対策していただきました。また思考力問題に関してはSAPIXが出版している問題集を購入して頂き、解いてもらいました。僕とは入室テストの過去問対策をしましたが、9月の入室テストはすぐに解いてしまったので、少し難しめになりますが、10月・11月・12月・1月などのSAPIXのテストを解きました。

 

国語は算数に比べて苦手意識があったようですし、まとまった記述対策ができていないようでした。期間が短かったので基本的な内容しかできませんでしたが、「心情を答える問題」は「気持ちを表す言葉で終わること、そうした気持ちになった原因を書くこと」、「原因を聞く問題」は「〜からで終わること」などを徹底しました。また生徒のレベルに合わせて複数の問題集を購入してもらい、家庭学習で解いてもらいました。

 

冒頭に書いたように、結果は大成功でした。今後は塾のカリキュラムに合わせて、遅れないようについていくことが大切になります。

 

今回の生徒はSAPIXをお勧めしましたが、早稲アカや市進の方が向いている生徒もいます。志望校や性格にもよります。

 

小学校低学年〜5年生くらいまでの間に、ぼんやりと「中学受験どうしようか」と考えてらっしゃるご家庭は多いと思います。ベイタウンは中学受験の経験のないご両親がかなりいらっしゃいます。ママ友などからの情報だけではなかなか一歩を踏み出せないと思います。そうした場合、一度ご連絡ください。生徒の適性を見て、塾を勧めたり、入塾の対策、勉強のフォローなどできると思います。


渋幕の立体図形 平成18年度 第6問

  • 『渋幕の対策をしたいのですが、他の学校の過去問演習も忙しいので、特徴的な問題を効率よく練習できませんか?』とご依頼をよく頂きます。そうした場合、立体図形の対策が第一になります。
  • 時間がかかっても良いので、しっかりを図を書いて、色々と頭をひねることが大切です。

 

印刷して解く場合はこちらからどうぞ

 

 

まず直線を軸として回転する問題について覚えておくべきことは

  1. どの点でも一回転すれば元の位置に戻ってくる
  2. ある点が一回転した時に描く軌道は円である
  3. 点を回転させると線(円)になる
  4. 線を回転させると平面(だいたいドーナツ型)になる
  5. 平面を回転させると立体になる
  6. 軸から一番近い点と一番遠い点の差を考える

1と2はよく考えれば当たり前のことですね。

3,4,5は直感的に理解できるでしょうか?

そして実際に解くためには6が必要になります。

 

(1)  辺ADを回転させるのですが、辺ADの中で軸BCから一番近いのは点Aですね。線分AHが一番距離の近いところです。そして一番遠いのが点Dです。軸BCを地面に水平に立てて、上から見てみましょう。軸の上をB、下をCとしています。

このとき軸BCの真ん中Hの高さのところに、点A,D,Hが一つの平面上にあります。

そして軸BCを中心に回転させた時、点Aは半径4cmの円を描き、点Dは半径5cmの円を描きますね。この間のドーナツ状のところが求める面積です。したがって

5×5×3.14-4×4×3.14=(25-16)×3.14=9×3.14=28.26cm2

となります。

 

 

(2)   今度は平面BCFEを回転させます。(1)では軸から一番近い点と一番遠い点を考えましたが、今度は軸ADから一番近い線と遠い線を考えます。EFの真ん中の点をIとすると、ADから一番近い線がHIで、一番遠い線がBEまたはCFです。

また上から見てみましょう。軸ADとBE,HI,CFは全て地面に垂直になっています。

赤い線に見えるのが上から見たときの平面BCFEです。この平面を回転させてできるのは、図のドーナツ形に高さ3を持たせた柱です。

この図のドーナツ形は(1)と同じものですね。ですから面積は28.26です。柱はどんな形をしていても底面積に高さをかければ体積がでます。したがって

28.26×3=84.78cm2

あるいは半径5高さ3の円柱から、半径4高さ3の円柱を引いてもいいです。

5×5×3.14×3-4×4×3.14×3=75×3.14-48×3.14=27×3.14=84.78cm2

 

[解答]    (1) 28.26cm2    (2) 84.78cm2