女子学院・市川・東邦大東邦・秀英に合格したDさんは、5年の夏頃からの指導でした。
もともと能力が高く、SAPIXで60くらいの偏差値を取っていたのですが、5年生の前半に勉強時間が減り、偏差値が50代前半まで落ち込みました。外で思い切り遊ぶのが好きな子でしたが、塾のない友人の中で自分だけが帰って勉強しなければならないフラストレーションがあったのだと思います。
SAPIXの宿題もうまくこなせず、テストもその場しのぎになっていたようなので、まずはその立て直しをしてもらいました。苦手の国語は僕と一緒に毎週の記述の宿題(国語Bのテキスト)をし、算数も一通り毎週の内容をチェックしました。塾のマンスリー・組み分け対策もして、波はありつつもおおむね偏差値60くらいに戻りました。
その後、成績が下がると危機感からか勉強時間が増えるものの、成績が上がるとまた遊びたい熱が高まって、一進一退といった成績が続きました。しかしもともと能力が高い上に、良く遊ぶ子の方が最後に伸びることが多いので、それほど心配はしていませんでした。
6年から週2回2時間ずつの指導に増やして頂き、1回は国語・1回は算数というのを基本として、毎週の塾の教材をこなしていきました。SAPIXの通常授業のテキストに加えて、SSや土特の教材が増えてくると、全部をフォローすることはできないので、自宅学習で理解できなかった問題をまとめておいてくれて、僕の授業で解決するという形式になり、理科の質問も増えました。
家庭学習の際、分からない問題があると気になってイライラしてしまい、先に進めなくなることもあったようなので、ちょっと考えて分からないものは深追いせず僕との授業まで残しておくように伝えました。
受験直前期は過去問やSAPIXの志望校対策プリントを指導することが多くなりました。最後は算数2:理科2:国語1くらいの割合の勉強になっていました。
市川までは問題なく合格できるだろうと思っていました。実際に市川に合格をもらい、ひとまず安心しましたが、千葉受験が終わっても勉強を続けてくれました。指導開始から一貫して国語に苦労しましたが、女子学院の問題とは相性が良く、無事合格してくれました。
活発に遊ぶ子の方が、最後に伸びやすいというのは、長年家庭教師をしていて実感しています。本来小学生は5,6年生であっても外で思い切り遊ぶべきです。友人関係も大切です。ずっと勉強漬けにしても成績は伸びません。とはいえ、決定的に勉強内容に穴が空いてしまっては、どんなに優秀な子でも難関校の問題に対応できる学力を積み上げていくことができません。またストレス発散といっても、Youtubeを見続けるなどは論外です。その辺りのバランスをうまく取ることが、中学受験の一つの課題になると思います。